第9話
元野良猫が覚えた言葉
あずきは元野良猫です。
当然ですが我が家にやって来た当時はまったく人の言葉を理解できませんでした。
それどころか、私たちを完全に無視してまったく視界に入ってない状態が約3カ月ほどは続きました。
意思の疎通が出来ないどころか、完全に家庭内ノラ状態です。日中は2階から降りて来ないんですよ。それで夜中に1階に降りてカリカリを食べたりトイレにいったり、人のいない隙にソファーで寝たり(ソファーのクッションがへこんでて分かる)とにかく私たちに会わないように会わないように3ヶ月!!
優しく話しかけて、寝てる時に少し撫でて、チュールで釣って、おもちゃで誘ってを繰り返しそれはそれは甘やかして、かわいがって、甘やかして、を繰り返し数カ月・・・
少しずつ少しずつ私たちの言葉を聞くそぶりを見せはじめました。最初の変化は名前を呼ぶと耳を向けるようになりました。それが振り返るようになり私たちに関心を向けるようになりました。
少しずつ少しずつ色々な言葉を覚えてくれました。最近では名前を呼ぶと気が向いた時だけですがわざわざ2階から降りて来てくれるようになりました。
そしてついには返事まで!!遊ぶ?と聞くとニャニャン!と鳴いてそばに来てくれるようになりました。三度の飯より遊ぶ事が好きなのです。
あずきは基本鳴きません。外の生活で学んだ事なのでしょう。
そんなあずきが返事のニャーをするまでになったのです。
撫でてもらうと気持ちいい事を覚えて撫でられ待ちをするようになりました。
2年でずいぶん変わりました。
それでも人の早い動きや大きめの声、抱っこは怖いし苦手です。人にそばに立たれるのも怖い。撫でる時はしゃがんでゆっくりあずきのペースで。ご飯は部屋の隅っこで食べる。これらは一生そうかもしれませんし変化もあるかもしれません。
まだまだこれからです。